グリンピースのスープは子供でも作れる。10代の最初の一品におすすめの簡単レシピの考え方

こんにちは、フリーライターの森下祥子です。
女性誌で美容担当の編集者を18年続けたあと独立し、いまは働く女性と家族の暮らしをテーマに書いています。

高校生の娘が、この春くらいから台所に立つようになりました。
最初はカップ麺にゆで卵をのせる程度でしたが、最近は「何か1品、ちゃんと作れるようになりたい」と言い出しています。
うれしい反面、何から始めさせればいいのか、私のほうが迷っていました。

そんなときに目に留まったのが、たかの友梨さんが子供の手料理についてつづったInstagramの投稿です。
娘の友花さんが、グリンピースのスープとイカ墨のスパゲッティを作ってくれたという内容でした。
ご自身はビーガンなので口にしていないとしながらも、「どこにも習いに行っていないのに」ここまで作れるようになったことに、成長を感じていると書かれていました。

エステ業界の第一人者として知られる方の、母親としての顔が見える投稿でした。
読んでいて、ふと思いました。
グリンピースのスープって、最初の一品にちょうどいいのではないか、と。

この記事では、次の3つを順番にお話しします。

  • 最初の一品に向いている料理の条件
  • グリンピースのスープがその条件に合う理由と、作り方の基本の流れ
  • 親が見ておきたい安全面と、関わり方

最初の一品に向いている料理の3つの条件

娘と一緒にいろいろ試してみて、最初の一品には3つの条件があると感じています。

  • 材料が少なく、買い物で迷わない
  • 手順が一本道で、途中で分岐しない
  • 多少失敗しても、ちゃんと食べられる

たとえば、炒め物は手順こそ短いのですが、火加減とタイミングが勝負です。
焦げたり水っぽくなったりすると、本人のやる気がしぼみます。
逆に、煮込み系は時間はかかっても、失敗しにくいものが多いです。

よく「最初に作る料理」として挙がるものを、この3つの条件で比べてみました。
あくまで私の家で試した感覚です。

料理材料の少なさ手順のわかりやすさ失敗しても食べられるか
目玉焼きとても少ないわかりやすい焼き加減で好みが分かれる
味噌汁少ないわかりやすい食べられる
チャーハンやや多い火加減が難しい焦げると食べにくい
パスタ少ないゆで時間の管理が必要ソース次第
グリンピースのスープ少ないわかりやすい食べられる

目玉焼きと味噌汁は、もちろん良い候補です。
ただ、毎日の食卓に出る料理なので、作ってもあまり特別感がありません。
「自分で作った」という実感を持ってもらうには、少しだけよそ行きの料理のほうが盛り上がる気がしています。

中学校の家庭科で習う内容ともつながる

もうひとつ背中を押してくれたのが、中学校の家庭科の内容です。
文部科学省の中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 技術・家庭編を読むと、中学校では「煮る,焼く,蒸す等」を扱い、「だしを用いた煮物又は汁物を取り上げること」とされています。

同じ解説には、「緑黄色野菜は加熱のしすぎなどによって色が悪くなること」に触れて、防ぐ方法を理解できるようにするという記述もありました。
グリンピースのスープも、鮮やかな緑色に仕上がるかどうかで見た目が大きく変わります。
「煮る」ことと、火の通し方で色がどう変わるかを、家で確かめる題材になります。
中学生以上なら、学校で習ったことを家で試す場として、ちょうどいい難しさです。

グリンピースのスープが最初の一品に向いている理由

冷凍でいいので、材料をそろえるのが楽

グリンピースは、生のものが店頭に並ぶ時期が限られています。
農畜産業振興機構の資料によれば、生のものの旬は4~6月です。
一方で、ほとんどが缶詰や冷凍食品に加工されていて、一年中手に入ります。

最初の一品では、冷凍を使えば十分です。
レシピサイトを見比べても、DELISH KITCHENやレタスクラブなど、冷凍のグリンピースで作るレシピが多く見つかります。
さやから豆を出す作業がないので、そのぶん手順がひとつ減ります。

栄養の面でも、冷凍だから劣るというわけではありません。
文部科学省の食品成分データベース(グリンピース/冷凍)で、可食部100gあたりの数値を比べてみました。

種類たんぱく質食物繊維総量食塩相当量
生6.9g7.7g0g
冷凍5.8g9.3g0g
水煮缶詰3.6g6.9g0.8g

出典は、どれも日本食品標準成分表(八訂)増補2023年です。
冷凍は食物繊維が生より多く、食塩相当量は0gです。
水煮缶詰は、たんぱく質が少なめで塩分が入っているので、缶詰を使うときは塩を控えめにしたほうが味がまとまりやすいと思います。

工程は「煮る・混ぜる・のばす」の3つ

グリンピースのスープ(ポタージュ)のレシピを何本か読み比べると、流れはほぼ共通しています。
豆に火を通して、ミキサーやブレンダーでなめらかにし、牛乳などでのばして味を調えるだけです。

包丁を使うのは、玉ねぎを薄切りにするところくらいです。
細かいみじん切りや、きれいな形に切りそろえる作業はありません。
包丁に慣れていない子でも、形を気にせず切れば十分です。

仕上がりの色で「できた」がわかる

ミキサーのスイッチを押して数十秒後、鮮やかな緑色のスープができあがります。
この瞬間が、作る本人にとって一番楽しいところのようです。
娘も、初めて作ったときは写真を撮ってから味見をしていました。

見た目がきれいだと、家族に出したときの反応も良くなります。
「作ってくれてありがとう」「きれいな色だね」と言われると、次も作ろうという気持ちになるものです。

基本の流れと、つまずきやすいところ

ここでは分量ではなく、流れだけをまとめます。
分量はレシピによって違うので、最初は信頼できるレシピを1本決めて、その通りに作るのが一番です。

  • 玉ねぎを薄切りにして、バターで透き通るまで炒める
  • 冷凍グリンピースと水(またはスープの素を溶かしたお湯)を加えて、やわらかくなるまで煮る
  • 火を止めて粗熱をとる
  • ミキサーやブレンダーでなめらかにする
  • 鍋に戻して牛乳でのばし、塩こしょうで味を調える

牛乳の代わりに豆乳でのばすやり方もあります。
家族に牛乳が苦手な人がいる場合は、試してみてもいいかもしれません。

最初の1回だけは、親が「材料をそろえる係」になるのもおすすめです。
冷凍グリンピースの袋、玉ねぎ、バター、牛乳を調理台に並べ、計量まで済ませておきます。
本人は「作る」ことだけに集中できるので、途中で手が止まりにくくなります。

2回目からは、買い物と計量も任せてみてください。
スーパーで冷凍食品の棚を探すところから自分でやると、料理が「家事のひとつ」として見えてくるようです。

裏ごしはしてもしなくてもいい

レシピによって分かれるのが、ミキサーのあとにこすかどうかです。
NHKの「みんなのきょうの料理」やエスビー食品のレシピはこしていますが、DELISH KITCHENやレタスクラブのレシピはこす工程がありません。

こすと口当たりはなめらかになりますが、洗い物が増えます。
最初の一品なら、こさずに作って、豆の食感が少し残るスープとして楽しめば十分だと思います。
慣れてきたら、こしたものと比べてみるのも面白いです。

つまずきやすいところと対処

娘が実際につまずいたところを表にしました。

つまずき原因として考えられること対処
色がくすんだ煮る時間が長すぎた豆がやわらかくなったら火を止める
味がぼんやりする塩が足りない最後に少しずつ塩を足して味見する
とろみが強すぎる水分が少ない牛乳を少しずつ足してのばす
ミキサーの中身が回らない材料に対して水分が少ない煮汁や牛乳を少し足す

どれも「食べられないほどの失敗」ではありません。
ここが、グリンピースのスープを最初の一品に勧めたい一番の理由です。

親が見ておきたい安全面の3つ

簡単な料理とはいえ、熱い液体と刃物を扱います。
親が最初に一緒にいて、伝えておきたいことが3つあります。

熱いままミキサーにかけない

レタスクラブやエスビー食品のレシピでは、煮たあとに「粗熱をとってから」ミキサーにかけるよう書かれています。
熱いまま回すと、中身が飛び散ったときにやけどをするおそれがあります。

ハンドブレンダーも同じです。
パナソニックのハンドブレンダーの取扱説明書には、60℃以上の熱い材料を入れないよう注意書きがあります。
上限の温度は機種によって違うので、自宅の機器の取扱説明書を一度一緒に読んでおくと安心です。

使い終わったあとの刃の扱いも大切です。
部品の取り外しや洗うときは、必ず電源プラグを抜くように伝えています。

温め直しは吹きこぼれ(突沸)に注意

ポタージュのようなとろみのあるスープは、電子レンジで温め直すときに注意が必要です。
製品評価技術基盤機構(NITE)の電子レンジの事故に関するページでは、とろみのあるものは突沸しやすいため、加熱しすぎないよう設定時間を控えめにすることが勧められています。

同じページには、加熱前にスプーンなどでかき混ぜること、加熱しすぎたときはしばらく冷ましてから取り出すことも書かれています。
子ども向けの教材として作られたページなので、本人に直接読んでもらうのもいいと思います。

残ったスープは小分けして冷やす

多めに作って翌日に回すなら、保存の仕方も伝えておきたいところです。
厚生労働省の家庭でできる食中毒予防の6つのポイントでは、残った食品は早く冷えるように浅い容器に小分けして保存すること、温め直すときは味噌汁やスープ等は沸騰するまで加熱することが挙げられています。

鍋のまま一晩置いておく、というのはやりがちです。
「作って終わり」ではなく「片づけて保存するまでが料理」と伝えると、家事全体への見方も変わってきます。

同じ流れで作れるスープに広げていく

グリンピースのスープが作れるようになったら、同じ流れのまま材料を変えてみるのがいい練習になります。
「炒める、煮る、ミキサーにかける、のばす」という骨組みは、ほかの野菜のポタージュでもほとんど変わりません。

たとえば、次のような広げ方があります。

  • かぼちゃやにんじんに替えて、色と甘みの違いを比べる
  • じゃがいもを少し加えて、とろみの出方を比べる
  • 夏場は冷やして、冷たいスープとして出す

冷やして出すやり方は、エスビー食品のグリンピースのスープのレシピでも紹介されています。
同じスープでも、温かいときと冷たいときで塩の感じ方が変わるので、味見の練習にもなります。

1品を何度も作るうちに、「この材料ならこのくらい煮ればいい」という感覚が少しずつ身についていきます。
レシピを見ずに作れるようになったら、それはもう立派な「得意料理」です。
娘は最近、グリンピースの代わりにとうもろこしで作ったスープを出してくれました。

親にとって一番難しいのは「手を出さないこと」

正直に言うと、娘が台所に立っているとき、私はつい口を出してしまいます。
「火が強いよ」「そこ、焦げるよ」と言うたびに、娘の表情が曇るのがわかりました。

お茶の水女子大学の非常勤講師で食育が専門の松島悦子さんは、STUDY HACKER こどもまなび☆ラボのインタビューで、子どもが料理をするときは「あれやこれやと口出しをしないこと」、危ないことをしようとした場合は別として「しっかり手順を教えたらあとは極力見守ってほしい」と話しています。
作ってくれたら「ありがとう」と感謝し、「美味しい」と褒めて、改善点があれば「今度はこうしようね!」と伝えるとよいそうです。

私が意識するようにしたのは、この3つです。

  • 危ないことだけは、その場ではっきり止める
  • それ以外は、終わるまで黙って見ている
  • 食べたあとに、良かったところを先に伝える

たかの友梨さんの投稿にあった「どこにも習いに行っていないのに」という一文を読んで、私が思い出したのはこのことでした。
習いに行かなくても、家の台所で自由に作らせてもらえる環境があれば、子どもは自分で覚えていくのだと思います。

まとめ

10代の最初の一品には、材料が少なく、手順が一本道で、失敗しても食べられる料理が向いています。
グリンピースのスープは、この3つの条件にきれいに当てはまります。

冷凍の豆を使えば一年中作れますし、工程は「煮る・混ぜる・のばす」の3つだけです。
仕上がりの鮮やかな緑色は、作った本人の自信にもつながります。

一方で、熱いままミキサーにかけない、温め直しの突沸に気をつける、残りは小分けして冷やすという3つの安全面は、最初に親から伝えておきたいところです。
そのうえで、あとは口を出さずに見守ってみてください。

次の週末、冷凍グリンピースを一袋買って帰るところから始めてみてはいかがでしょうか。

最終更新日 2026年9月29日 by agimem