最終更新日 2024年11月18日 by agimem
赤ちゃんが産まれたご家庭で、赤ちゃんにとって初めての初正月にはお祝いとして男の子ならば「破魔弓」、女の子なら「羽子板」が贈られ飾られる風習があります。
雛人形や五月人形といったお飾りの知識がある方は多い中で、まだまだ正月飾りである破魔弓や羽子板を飾る意味を知らないという方は少なくないので、お飾りの由来や意味等を正しく理解して自宅に飾るようにしましょう。
破魔弓の由来
破魔弓の由来は飛鳥時代にさかのぼり、室町時代になると宮中や神社でこのお飾りを用いた儀式が行われていたといわれています。
このお飾りは聖なる威力を持っていると昔から信じられており、魔祓いや厄除けに効果を持つとして大切にされてきました。
宮中や武家では子供が産まれると魔除けの意味で、お正月に破魔弓を飾るようになりその習慣は後に庶民の間にも広まっていき、現在は男の子の赤ちゃんのお守りだと浸透していきました。
昔は節分や節句といった季節の変わり目は鬼門と呼ばれ、門が開くことで鬼が出てくることで病気の原因となったり飢饉などの災厄が起こると考えられており、特にお正月は人日の節句があり旧暦では年末年始が節分時期にあたります。
そこで産まれたばかりの弱い赤ちゃんを災厄から守り、安全に年が越せるようにと願い破魔弓が飾られるようになりました。
飾る時期
飾る時期としては主に12月の中旬頃からお正月を過ぎた頃となる1月15日までにしまうようにすることが一般的です。
ただし飾る時期として苦立てと呼ばれる12月29日や、大晦日に飾る「一夜飾り」は縁起が悪いこともあり、このタイミングで飾るのは避けることが大切です。
では男の子の厄除けのお守りだと、お正月に破魔弓を飾ろうと思っている場合自宅のどこに飾ればいいのかわからないという声も少なくありません。
飾り方
伝統的な飾り方は神棚や床の間を選ぶことが一般的です。
特に昔の日本家屋には必ず床の間があったので、多くの方がこの場所を選んでいました。
ただし現代の家では床の間がない場合が大半なので、人の目に付きやすい場所であれば問題はないと考えられています。
この正月飾りは神聖なお守りでもあるので、人が見下ろす位置に飾ることはまりよくないといわれています。
そこで居間の家具の上など少し高めの位置を選ぶことがポイントになります。
剥き出しのままにして汚してしまったり、埃がついてしまうことが不安という場合にはケースに入れて飾るようにすると安心です。
本体のみだけをお持ちの場合は市販されている破魔矢立てを用意して置くようにしたり、壁に固定するのも1つの方法です。
赤ちゃんのお守りという意味を持っているので、赤ちゃんの頃にはみんなが集う意味に飾り、少し成長をして大きくなったら子供部屋というように子供の成長にあわせて飾る場所を変化させるという方法を採用しているご家庭も少なくありません。
魔除けや厄除けの意味をこめて玄関に飾る方法もあり、自宅に訪問される人にも素敵な正月飾りを見てもらえるので購入する場合には自宅のどこに飾るか事前に確認をしておくと安心です。
ただし注意点としては子供の成長と共に長く飾るお正月飾りとなるので、直射日光があたらず湿気の少ない場所で飾ることで劣化や変色を防ぐことができます。
このお正月飾りは雛人形や五月人形と同様に職人が丁寧に作り上げた伝統工芸品のため、非常に繊細に作られている特徴を持ちます。
そのため長持ちさせるためには直射日光のあたらない場所や湿度の高い場所には適しません。
直射日光があたらなくても窓際に飾ってしまうと、室内外の温度差によって結露が生じるので劣化を早めてしまう恐れがあります。
これらの伝統工芸品はエアコンも非常に苦手としているので、飾る場所には冷風や熱風が直接あたらない場所であることも大切です。
自宅でのお手入れ方法
また自宅でのお手入れ方法としては、基本的に剥き出しの状態では埃汚れが付きやすいです。
しかし非常にデリケートなのでムリに埃を払おうとせずに、羽根ばたきを用意して優しく取り除くようにしましょう。
もっと手軽なお手入れをしたい場合には埃やアクシデントから保護してくれるケース飾りを利用しましょう。
ケース飾りがあればお手入れや収納の取扱も簡単ですし、万が一赤ちゃんが手を延ばしてしまっても安心です。
掃除をする場合もガラスやアクリルの部分をよく絞った布で拭き、すぐに乾いた布で乾拭きをすることでいつでもきれいな状態を維持することができます。
お正月や端午の節句を過ぎたら片付けを行いますが、湿気に弱いのでしまう場合には天気のよい日を選びましょう。
雨や湿気の多い時に収納をすると保管場所でカビが生える可能性があるので、一度風にあてて乾燥させて、布や羽根ばたきで埃を取り除いてから収納することがポイントです。
まとめ
収納する箱の底には適量の防虫剤や除湿剤を入れておくと、保管中もしっかり保護することが出来るので来年もきれいな状態で飾ることができます。