最終更新日 2024年11月18日 by agimem
交通事故で被害者になった場合、賠償金を請求するために加害者側と交渉を行わなくてはいけません。
しかし、一般的に交通事故の話し合いをするときには保険会社を相手に交渉することになります。
問題なのは、保険会社は法律問題に関連するスペシャリストを在籍させているという点です。
被害者側も弁護士を雇う必要がある
普通に交渉をしただけでは勝てる見込みがありませんので、専門的な観点から勝とうと考える場合には、被害者側も弁護士を雇わなくてはいけません。
そもそも、自動車に関連する保険は他のサービスと異なってかなり特殊な側面があります。
自動車を購入すると、その購入者に対して強制的に加入を義務付けられる自賠責保険というものが存在します。
一般的に、自賠責保険は支払金額が1日あたりで一定に決まっている傾向があるため、それほど難しく考える必要はありません。
自賠責保険の場合は、申請をすれば相応の金額を受け取ることができるため、手順さえ守れば最低限の保証を行ってくれます。
一方で、問題になるのが民間の保険会社です。
交通事故の場合、大きなトラブルになると自賠責保険だけでは保証が間に合わなくなってしまうケースが存在します。
例えば、相手が大きなケガをして賠償金額が多額になってしまったときです。
基本的に、自賠責保険で支払うことができない分の金額は自分で負担しなくてはいけないので、大きな金額になりすぎてしまうと非常につらい現実に直面してしまいます。
そこで、自動車に関しては民間の保険会社が独自にサービスを提供し、万が一の時に備えで保証ができるように工夫をする必要があります。
民間の保険会社は独自の判断で賠償金を支払う
ですから、多くの自動車の保有者は自賠責保険に加えてそれぞれの民間企業が提供している独自のサービスを利用している傾向があります。
問題なのは、この民間の保険会社は独自の判断で賠償金を支払うという点です。
確かに、加害者の観点からすると保険会社と契約をしておけばその会社が負担してくれるのでメリットは大きいです。
ただ、被害者になってしまった場合には自賠責保険のように一律に支払われるわけではないので、その保険会社がどの程度の金額を払ってくれるのかを交渉しなくてはいけません。
そして、民間の保険会社はほとんどの場合で相場よりも低い金額で見積もりを出す傾向があります。
見た目上は大きな金額を提示しているように見えても、実質的には保険会社側が得をする仕組みになっていますので、被害者だけで交渉をしても勝てる見込みがありません。
何故かというと、相手は法律のスペシャリストだからです。
法律的な観点から最もな示談交渉を行ってくるため、素人では対抗することができません。
反対に、弁護士を雇った場合にはこの相場を大きく上乗せできる可能性が生まれます。
これは、弁護士が考える交通事故の相場の基準が保険会社のそれとは全く異なるからです。
弁護士も法律的な観点から交渉することに違いはありませんが、この基準はあくまでも客観的なもので独自のものではありません。
具体的には、過去の判例や実際にあった事例を参考に算出します。
例えば、過去に同様の交通事故のトラブルがあって50万円を請求出来ていたときには、たとえ相手が30万円の見積もりを出してきたとしても50万円請求します。
弁護士が主張する法律的な根拠は、過去に実際にあった判例などを参考にしますので、法律的な根拠は非常に強いです。
そのため、法律のスペシャリストである保険会社の社員が交渉を行っても、被害者側に有利になることが多くなります。
これを、交通事故では弁護士基準といいます。
示談交渉で重要なのは、法律的な知識を持った人に相談をしてできるだけ大きな金額を請求することなので、そのための準備を怠らないようにすることです。